あや流!歌ってみたMIXのやり方

はじめに

このブログは、歌ってみたのMIX師って何をしてるの?っていう疑問をお持ちの方のために、
私がやってるやり方を解説するブログです。
これからMIXを始めようと思ってる方にも、大体の流れがわかるんじゃないでしょうか??
もうすでにMIXを始めていて、細かい数値とかプラグインの使い方が知りたい!っていう方には
お役に立てないと思います…。
そして、私流のやり方なので、一般的でない部分や、間違った認識があるかも知れません。ご了承ください。

今回のMIXデータ

以前、歌ってみた動画として投稿した、ナユタン星人さんの「エイリアンエイリアン」の動画を例に、
どのような作業をしたのか解説していきます。
まず、MIX前の生のボーカルデータとオケを混ぜただけのものがこちら。
歌の開始は0:18~

公開するのは後悔するかも…なんちって。
これが、最終的にこうなります。

追加でRECしたり、元データの中でも使ってない部分があるのは許してね><

使用ソフト

今回は、基本的にLogic Pro Xを使用します。
ノイズ除去にのみ、Adobe Auditionを使用しています。

実際の作業内容

では、早速、作業内容を見ていきましょう!

レコーディング

MIXの前にまずはレコーディングします。
DAWソフト上で行うと便利ですが、OBSやボイスレコーダーのようなものでも録ることは可能です。
今回はLogic Pro X上でレコーディング用のトラックを作成して録音しました。
そして、使いたいところを切って貼ってします。
Logicだと画像のように使いたいところだけ簡単に切り貼りできて、
間に若干のフェードも入れてくれるので楽チンです。

今回は曲が高音すぎてなんども歌えるような感じではなかったのでレコーディング回数は非常に少ないですが、
歌のうまくない私は普段、部分録りやテストも兼ねて30回くらいはRECしてると思います。
DAWでRECできるのは、自分で歌って自分でMIXする人間の強みですね。

ミックス作業

ここからは、本題のミックス作業です!
まずは、先ほどのRECデータを用意します。
今回はこんな感じ。

コンプレッサー

切り貼りが終わったデータにコンプをかけます。
これだけで、ボーカルがぐんと前に出ます。
コンプだけかけたデータがこちら

ノイズ除去

コンプだけかけたボーカルデータを書き出して、Adobe Auditionに読み込ませます。
そして、ノイズ除去作業に入ります。
Auditionのノイズプリントが優秀すぎるので、Logicから飛び出してAuditionを使ってます。
ノイズを除去しすぎても奥行きがないこもった声になってしまうので、調整が必要です。
ノイズの除去ができたら、また書き出してLogicに戻ります。

ピッチ補正

ここからは、みなさんが歌ってみたMIXで一番よく想像するであろう、ピッチとリズム補正の作業です。
LogicのFlex Pitchという機能を使用します。
耳を頼りに、ずれているピッチを直していきます。
目を頼りにピッチ補正をすると、特に音程が高いところでは実際に心地よく聞こえるピッチと機械で判定されたピッチの差異が大きいため、自分の耳が頼りです。

ピッチ補正が終わったら、一旦書き出して、ハモリ作成に備えます。

EQ

EQ(イコライザー)は、特定の周波数の音を上げたり下げたりするプラグインです。
高音をもうちょっとあげて、抜けのいい音にしようとか、声の魅力的な部分を引き出すのに役立ちます。
私は結構めちゃくちゃなEQをかけたりする方なんですが、これは本当にMIX師によって好みが分かれると思います。

DeEsser

次に、ディエッサーで歯擦音を除去します。
歯擦音というのは、サ行などを録音するときに入る、ちょっとザラザラした音です。
これをEQと同じ仕組みで除去してくれるプラグインがDeEsserです。
一度、ここまでの状態でお聞きください。

高音が気持ちいい感じになったのが伝わるでしょうか…?

リバーブ

続いて、リバーブをかけていきます。
リバーブというのは、残響音のことで、ふわ〜っとした幻想的な声になります。
オケとの馴染みもよくなるので、程度の差はあれど、かけない曲はほぼないです。
リバーブと、この次のディレイをどっち先にかけるかは曲次第で決めてます。
リバーブ感が強く欲しい時は先にディレイ、ディレイ感が欲しいならリバーブからかけていきます。
今回は、ディレイの不思議な感じを強く出したかったので、リバーブからかけました。

ディレイ

ディレイは、遅延という意味で、音を遅らせて再生します。
やりすぎると不自然ですが、少しのディレイは声に厚みが出て、オケに埋もれない強い声を作ることができます。
では、ここまでのデータを聴いてみましょう。

最初は鼻歌のような感じだったのが、だいぶ人に聴かせられる歌になってきているのでは…?

リミッター

最後に、リミッターをかけます。
これがないと、音割れしたりします。
ゲインも6dbくらいあげてます。
メインのボーカルデータはこれで完成です。

ハモリの作成

ここからは、曲を盛り上げる要素である、ハモリを作っていきましょう。
と言ってもやることはそんなに難しくなくて、音程を決めて(3度下とか5度上とか)、1音ずつピッチ補正をします。
難しくないけど時間がかかる、そんな作業です。

エフェクト声

次に、この部分のエフェクトを作ります。

今回のこのジャリジャリした声は、ギターアンプシミュレーターを挿して、細かい調整をしているだけです。
他にも、ロボ声ならPitch Correctionを使ったり、超極端なEQで調整することもあります。

オケとのミックス

さて、ボーカルデータの準備ができたので、あとは音量のバランスをとって、オケと混ぜていきます。
オケデータとボーカルデータが馴染むようにオケに若干のEQをかけたり、空間系のエフェクトでごまかしたりします。

マスタリング

最後に、マスタリング作業をします。
私はOzone8Elementsというプラグインを使って、マスタリングをしています。
音声の用途(Youtube用など)に合わせて、ラウドネスの調整をします。

終わりに

いかがでしたでしょうか。
最後にもう一度、ミックス後の音源を聴いてみましょう。

1つ1つの変化は小さいように見えて、それが大事だったり。
音源と合わさると、単体では微妙だったエフェクトも生きてきます。

以上で、ミックスの作業はだいたい終了です。
…と言いたいところですが、翌日くらいにもう一度聴いてみましょう。
絶対直したいところが出てきます。
ずっと聴いてると、耳がバカになってわからなかった問題点がいーっぱい見つかります。
私はこれで、レコーディングからやり直したことあります笑
なので、ミックスを頼まれた際には、納期に余裕を持って取り組みましょうって話でした。

ミックスなんて面倒なことしてられない!って方は、ご依頼も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
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